3時間で始められる実戦IoTリレーハンズオン ~センシング、クラウド、見える化手法の最前線~ 参加レポート
はじめに
2018年10月10日に開催された「3時間で始められる実戦IoTリレーハンズオン ~センシング、クラウド、見える化手法の最前線~」に参加してきました。
目的はIoTの知識・実装技術を身に付ける為です。
この記事では学んだ内容と参加を通して得られたものについて書いていきます。
TL;DR
ゼロから開発すると難しいIoTだが、世の中のIoT向けサービスや便利なデバイス、組み込みプログラムのテンプレートを使用する事で初心者でもスピーディーな開発ができた。
逆に言うと、IoT向けサービスやプログラムのテンプレートにない事を行う必要が発生すると、難易度が急に上がると思われる。(だからこそ「ギリギリまで「検証です」を貫くこと」が重要?)
IoTは推進方法も重要。失敗率の高さは推進方法も悪い。
凄く良い勉強会だったのでIoTに興味がある人は参加するべき!!
概要
- 講師陣によるIoTに役立つサービスの紹介
- SORACOM
- IoT.Kyoto VIS
- WingArc1st Mortion Board
- ハンズオン
環境
OS
Windows 10 64bit
デバイス
- Wio LTE
- LED
- 超音波距離センサー
- ブザー
サービス
ツール
IoT 向け通信プラットフォーム「SORACOM」ご紹介
まずはSORACOM 松下さんからSORACOMのご紹介。
www.slideshare.net
今回は主役がハンズオンの為か、事例や開発系ベースの話が多い印象でした。 中でも印象に残った話は下記の2点です。
- アイデアがないとIoTは使いこなせない
- SORACOMは最初からプロダクション品質
1については同意で、結局何が出来て、どう活かせるのかを理解していないのが現状だと思います。 これは現場とIoT技術の両方の知識が必要で、両方の知識を持った人が居ない or 現場とIoT技術者をうまく繋げていない為なのかなと思いました。
2については、素晴らしいとしか言いようがないですね。検証と本番を意識しなくても良いのは助かります。
あと、当セッションではなくハンズオン中のお話でしたが、上記資料の35ページに記載された「IoTプロジェクトの進め方」は一見の価値ありです。 元ネタは武闘派CIOで有名な友岡氏の資料なのですが、IoTをどうやって推進するのかの良い学びになりました。 ただ「ギリギリまで「検証です」を貫くこと」をきちんと理解出来ていない事に、後で気づいてしまった事は痛恨のミスでした。
IoT.Kyotoサービス紹介
次にKYOSO 高木さんからIoT.Kyotoサービスのご紹介。
IoT導入サービスについての説明では、PoCからプロダクションまでサポートしてくるようで、これからIoTに挑戦する会社にはよいかもしれません。
他にも同社が提供するデータ可視化サービス「IoT.kyoto VIS」についても御紹介頂きました。
結構便利そうで、無償で大丈夫なのかと思いましたが、サーバーレスをうまく活用する事によって無償提供でも問題ないように作っているとの事です。
一番興味をそそられたのは「Flash AirによるIoT」の話でした。SDカードスロットがあればIoT化できるというのはすごい事だと思います。
MotionBoard最新アップデート
座学系コンテンツのトリをかざるのは、MAGLAB 武市さんの発表です。
タイトルはタイムテーブル上のタイトルは「MotionBoard最新アップデート」についてでしたが、内容はIoT導入の戦略がメインだったように思います。
PoCから本番に移行できる打率は14.2%のようで、きらびやかなIoT成功話の裏では失敗プロジェクトがたくさんあるようで、改めてIoTの難しさが分かりました。この辺をIoTプロジェクトのメンバーに認識しておいてもらいたいですね。
戦略の話の中で印象に残ったのは次の2点でした。
- 小さな課題から解決するPoCから大きな課題の解決へ
- データをどのように意味づけするか
1については非常に重要な考えだと思います。IoTの事がよく分からないまま、いきなり大きな課題から始めるから、失敗プロジェクトが多いのかもしれないと思いました。
2はデータが活躍するまでのステップの中の1つですが、これが出来ない会社は多いように思います。そもそもこの考えがないのかもしれません。これが出来ないとデータを収集しても意味が無いですね...
ハンズオン
最後にお待ちかねのハンズオンでした。
運営の皆さんに用意して頂いたマニュアル通りに作業する事で「データ収集→可視化」が実現できました。
「モノ」のセットアップは、Wio LTEにセンサーなどの部品を組み合わせるだけで終わりました。ハンダ付け等の面倒な作業はなく、専用の差し込み口に差し込むだけです。
組み込みプログラムは、IDEに用意されたテンプレートのコードと用意して頂いたコードを使用するだけでセンサーデータの送受信が出来ました。 基本的にはIDEに用意されたテンプレートのコードを少し修正(データの送信先など)するだけで実装できる様です。 処理自体は単純なのでテンプレート化するのは簡単なのかもしれません。
最後にデータの可視化ですが、SORACOM Funnelは可視化の作業を殆ど意識せず、SIMに対する設定を変えるだけで実現できたので驚きました。
他にもMotionBoardでも可視化をしました。こちらの作業は少し難しかったのですが、作業の割に高度な可視化が実現できるので、これまた驚きました。 特に武市さんがデモで見せてくれた内容がすごかったので、必要に迫られた時には、自分たちで無理に作らずMotionBoardの採用を考えた方が良いのかもと思いました。
所感
わずか3時間弱でIoTが実現できました。ただのIoTではなく「ワールドカップのリアルタイム中継」に使われているシステムも殆ど一緒(センサーなどが異なる)との事で、実際に納品されているIoTを経験する事で技術的な事以外でも大きな学びがありました。
世の中のエコシステムを組み合わせる事によってIoTのハードルが下がる事、システムとしての体裁(モノの見た目など)を意識しすぎなくても良い事など、実際の業務で活かせそうな内容ばかりでしたので、今後に繋げていきたいと思います。
懇親会
日帰りだったので1杯1メニューくらいで早めに帰ろうと思っていましたが、結局最後まで参加してしまいました。高知グルメには勝てなかったよ...