SIX2019 DAY2(“藝” Business Day) 参加レポート

はじめに

ABEJA社主催のAI CONFERENCE、SIX2019~技が共創し、藝があつまる~に参加してきました。

このイベントは2日に渡って開催されていて、本記事ではビジネスがメインの2日目のセッションで学んだ事を中心に書いています。

当日のメモだけだと詰めが甘いところもあったので、参加者の皆様のツイートを参考にさせて頂いております。

各セッションの資料は一部アップロードが予定されているようですが、まだ全てがアップロードされていないようなので、アップロードされ次第リンクを貼りたいと思います。

基調講演

ABEJA 岡田氏とパートナーの方々による基調講演からスタートしました。

基調講演にしてはボリュームが多く、これだけで結構疲れてしまいましたw

エンジニア兼IT推進という私の立場からだと、ABEJA 菊池氏が一番面白かったです。(資料のアップはあるのだろうか...)

真面目に書こうとすると、企業講演のボリュームが大きさにやられてしまうので、自分に刺さった内容だけを一部抜粋して記載します。

詳しく知りたいという方はASCIIさんの記事を見ると良いかもしれません。

ABEJA 岡田氏

  • 日本は世界各国と比較してAIに投資できているのかという問題提起

東京大学 松尾先生のビデオメッセージ

トプコン 福間氏

  • 衣・食・住の社会的課題の為にAIの活用が不可欠
  • ABEJAとのコラボレーションについて
  • 目から全身の健康を推測する事にトライ f:id:takahiro-kato:20190324152200j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152222j:plain

ABEJA 菊池氏

  • ABEJA INSIGHT for Retailの事業内容について
    • 実績について
    • リピート推定と同線分析のデモ
  • AI Opsのパイプラインについて
  • ABEJA Platformについて
    • Annotation機能のアップデート
  • 新サービス、ABEJA Platform Acceletatorの発表

AI Ops: f:id:takahiro-kato:20190324152005j:plain

ダイキン工業 臼井氏

  • ダイキン工業でのAI活用の可能性について
    • ミッションはリードタイムの削減
    • 修理に必要な部品予測や在庫予測にトライ f:id:takahiro-kato:20190324152259j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152322j:plain

現場への導入を見据えたAIシステム構築の考え方

基調講演の後はランチセッションです。本セッションにはタイトル通りの知識を身に着けたくて参加しました。

ちなみにランチはお茶付きで、しかも無料で美味しかったです。ただ文句ではありませんが、机が無かったので食べづらかったが難点でした。セッションが終わった後に広いスペースで食べた方が良かったかもしれません。 f:id:takahiro-kato:20190324152411j:plain

話の内容は下記の通り。

  • 自分が「AIを作る」のか「AIを使いたい」のかをはっきりする
  • 自分の目的にあったサービスを使う(「作る」と「使う」では異なる)
  • ストレージサービスのboxは、画像のアップロード時にGoogle Vision APIを使った情報のラベリングを行い、画像の特徴からの検索を可能にしている f:id:takahiro-kato:20190324152350j:plain

ABEJA PlatformとAIで作るサブスクリプションビジネス

このセッションには、AI開発・案件にはABEJA Platformを使った方が良いのでは?それを使ってのサブスクリプションビジネスとは?を知りたかったので参加しました。

売り切りのビジネスモデルとの違いや、継続的に高い価値を顧客に提供する考え方等、サブスクリプションビジネス未経験の私にとっては新しい知見が詰まっていました。 他にもAI案件の主な進め方やタスク、それに必要な期間等、知りたい事を知れたので良かったです。これからAIをやりたい人にとっては良資料だと思います。

https://speakerdeck.com/abeja/abeja-platformtoaidezuo-rusabusukuripusiyonbizinesu

デジタルマーケティング領域における共創型ビジネスモデルの展開とAIの活用

このセッションは、ちょっと自分向けではなかったセッションで、正直あまり理解できませんでした...

そんな中でも、勉強になった事はありましたので紹介。

  • AIは仕事ではなく「仕事の工数」を奪ってくれるもの
  • カメラを設置して、来客数をカウント出来るようになった事で、データの分母が分かるようになった

差がつくデータセットのつくり方

このセッションには、良質なデータセットを作る為に何が必要なのかを知りたくて参加しました。

データを用意するところで発生した問題点・課題と、それを解決する為に何をやったか等を発表して頂けました。

問題点・課題

  • 使いたいデータの保管場所がバラバラ
  • 欲しいデータが無い、足りない
  • 実用水準のAI活用には、独自のデータセットが必要

問題解決の為にやった事

  • データ整備に特化したチームの設立
  • 作業効率を上げる為のツールを使用
  • 散らばっているデータ群をまとめて保管するデータ保管システムを開発

「解決策は泥臭く気合で集める」と仰っていたので、現場に丸投げ系かな...と思っていましたが、参考になりました。 データの用意だけでも、システムや体制から考えないといけないレベルで大変な事が分かって良かったです。

他にも、FaceBookのマッチングサービス系の広告は、ユーザー情報の結婚ステータスを見て広告を出す出さないの判断をしている事や、 実存しない人間の画像を生成する事で撮影に掛かるコスト(契約や打ち合わせなど)を減少させるような新しい取り組みの話しもありました。

こんなAIプロジェクトは失敗する! ~導入効果?適切なデータ活用?稟議が通らない!~

このセッションには「失敗」、「導入効果」、「稟議が通らない」というキーワードに惹かれて参加しました。 心なしかスーツ率が高かったように思いますw

まず、最初にセッション参加者に向けて下記質問を投げました。

  • AIプロジェクトを自社取り組んでいる方→全体の約4割
  • 上手くいっていない方→全体の約4割

...最近は成功事例をよく見かけますが、裏では失敗も多々あるのかもしれません。

その後本題に入ったわけですが、そこでは失敗パターンと成功させるキーポイントのお話をして頂けました。

失敗パターン

  • 導入効果 vs メリットがわからない
  • PoCで止まる
  • 関係者が複雑怪奇

記事のアップがまだみたいなので、とりあえず写真でよければどうぞ。 f:id:takahiro-kato:20190324152713j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152734j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152759j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152853j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152913j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152939j:plain f:id:takahiro-kato:20190324152957j:plain

AI活用プロジェクトを成功させる3つのキーポイント

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[後日資料公開との事。実際の資料はもっと詳しい情報があります。]

話の中では、上記の内容を少し具体的にしたものなのか、「導入効果やメリットを正確に捉えてるか?」、「現場の声を吸い上げる仕組みが出来ているか?」といった事も仰っていました。

「現場の協力が長期的に必要な事」や「結果が直ぐに出ない事」、「システムベンダーとアルゴリズムベンダーとの間で話が通じない」等が従来のシステム開発プロジェクトと大きく異なっていると思いました。この辺はプロジェクト開始前から気を付けたいところです。

AI、データ時代の法律~データは?アルゴリズムは?誰のもの?~

最初は「ABEJA Insight for Retail Workshop」に申し込んでいましたが、「実際に小売店舗を経営・運営されている方」が対象という事に前々日くらいに気付き、急遽こちらに参加しました。

自分には合わない内容でしたが、データやモデルの所有権などの話は少し面白かったです。 データに対する所有権は存在しない事やデータをどうやって守るか等の話は参考になりました。 法的に守られていないからこそ、権限や契約、ガイドラインの作成等で守る事が必要だと思いました。

所感

この日は「どうやってAIを使うところまでに辿りつくか」の部分について学べたと思います。

AIはやってみないと分からないという話でしたが、それでも準備可能なもの(AIを作るのか使うのか、プロジェクトの体制・指標・事例など)を事前に知れたのは良かったなと思いました。

あと、今回は全てのタイムテーブルのセッションに参加しましたが、次回は無理に参加しないでおこうと思いました。 空いた時間で「Ask the Speaker」スペースで講演者に質問した方が有意義なケースもあると思いましたし、展示ブースを色々覗く時間も欲しいからです。

次回の開催スケジュール(2020.03.10 - 11)も既に決まっているので、今から予定を埋めて参加しようと思います。