Google Colaboratoryで学ぶAIの基礎と正体 講師参加レポート

はじめに

2018年8月25日に開催されたGoogle Colaboratoryで学ぶAIの基礎と正体に講師として参加してきました。 この記事では勉強内容や参加者同士でディスカッションした内容について書いていきます。

Google Colaboratoryで学ぶAIの基礎と正体

speakerdeck.com

今回は機械学習[教師データあり]をベースにしてAIの事を勉強しました。

機械学習チュートリアルを実施しただけだと、何を作ったのか分からない事がある為、まずは座学で基礎を勉強して頂きました。

基礎勉強を通して何を作るのか、どういう性質のものなのかを簡単に理解できたところで、今度はハンズオンに使用するアプリやライブラリの説明をしました。 Google ColaboratoryはGoogleカスタマイズ版のJupyter Notebookのようなもので、Googleドキュメントやスプレッドシートの新規ファイルを作成する位の手軽さで、簡単に環境が構築できて無料です。GPUも使用できます。 ライブラリはおなじみscikit-learn。勉強用のデータもライブラリが用意してくれているので助かります。

私が作成したipynbファイルを参加者の皆さんに配布して、各自手元で下記の流れを実施して機械学習を勉強していきました。

  1. 学習データをセット
  2. 学習
  3. 予測結果を評価
  4. 学習データの前処理
  5. 学習
  6. 予測結果を評価(精度が上がったことを確認)

モデルを作ること自体は難しくないが、仕事に求められる精度にする事の難しさが分かって頂けたらと思いました。

勉強の途中に、参加者の愛媛大学の佐々木先生にもご説明頂き、私自身も勉強になってよかったです。

質疑応答

勉強会の内容を質疑応答する時間でしたが、ある参加者の方々が課題を持ってきていて、そこで話が盛り上がりましたので記載します。

まず課題ですが、図面(CADデータ)を自動で仕分けをしたいというものでした。熟練技術者が見れば分かる「あるカテゴリ」ごとに仕分けをしたいと。 そして下記のような話ができました。

  1. 図面データを機械学習に読み込ませるにはpngなどに変換する必要あり?
  2. 既存の図面データに対して、熟練技術者がアノテーションして、それを学習データとして機械学習するのが王道では?
  3. (2に対して)手間を考えると現実的ではない。カテゴリは抜きにして仕分けだけでもできないか?
  4. 機械学習[教師データなし] ではどうか?
  5. 他の方法としては、図面データ内にカテゴリの判断に使用できる情報を埋め込んでは?
  6. (5に対して)そこまでやると、ファイル名に名前を付けただけで良さそう。AIを使う意味が無い感じ。
  7. (後日twitterにて)CADデータを利用せず、部品の種類とか加工方法の種類、長さ、方向(特徴)を前処理として数値化してはどうか?

結論として、これといった答えは出なかったのですが、実践的な有意義な時間でした。 私も実戦経験はないので、このような経験はうれしいですね。

もくもく会

Google Colaboratoryで学ぶAIの基礎と正体と質疑応答だけでは時間が余ると思っていて、結局余らなかった為実施しませんでした。 参加者の皆さんに感謝!

最後に

今日の経験を通してAIのプロジェクトの難しさが少し体験できたように思います。 また、自分自身誤解して身に着けていた知識を見つけることができたので良かったです。 これからも、来るべき日のために勉強会を通して経験を積んでいければと思いました。